外来診療、デイケア、ACT(アクト) 3つの柱で地域生活をサポート
精神障がいとは、脳の働きの変化によって感情や行動に著しい偏りが見られる状態のことで、統合失調症やうつ病、双極性障害(躁うつ病)などが挙げられます。精神障がいと診断されることで、現在の生活を失ってしまうのではないかと、誰もが不安になることでしょう。当クリニックは、そうした方たちが地域の生活から離れることなくリカバリーを達成するための支援を行うために開設しました。
リカバリーとは、障がいや経験を踏まえた上で、自分が求める生き方を主体的に追求しながら生活することです。当院では、外来診療の診療部門、リハビリテーションと就労支援を行うデイケア部門、障がいのために通院ができない人のためのACT(包括型地域生活支援プログラム)部門を設けています。デイケア部門では、米国マディソンのプログラムを導入し、スタッフはリカバリーを目指す人の伴走者としてリラクゼーションや趣味活動を取り入れながら、元気回復行動プラン、社会生活技能訓練、当事者研究、心理教育などに取り組んでいます。ACT部門では、精神科医、看護師、精神保健福祉士、作業療法士などの専門職がチームを組み、当事者の自宅や活動場所に出向いて、当事者が必要とするサービスを24時間365日体制で提供。希望や不安などを聞き取り、一緒に考え、ライフスタイルに合わせた支援を行っています。
また、精神障がいがある方とそのご家族を支援する英国発祥の「メリデン版訪問家族支援プログラム」の普及にも力を入れ、2015年には当クリニックの作業療法士が渡英し、トレーナーの資格を取得しました。日本各地でこの支援を実践できる人を育成することにも取り組んでいます。このプログラムは「行動療法的家族支援」として高く評価され、コミュニケーションの改善や情報共有を家族と協働で行うことが特徴です。当事者の不安や悩みを家族が理解する、また、家族が抱える悩みを解消するなど、両者の理解を深めることで、当事者も家族もともに健やかな生活を取り戻せるように支援し成果を上げています。
このように、帯広・十勝は医療と福祉が連携した精神保健の先進地でもあります。まずはお気軽にご相談ください。